相続放棄に関する判例
相続放棄について参考となる最高裁の判例をいくつか記載しています。
相続放棄と利益相反行為
共同相続人の一人が他の共同相続人の全部又は一部の者の後見をしている場合において、後見人が被後見人全員を代理してする相続の放棄は、後見人みずからが相続の放棄をしたのちにされたか、又はこれと同時にされたときは、民法八六〇条によつて準用される同法八二六条にいう利益相反行為にあたらない。(昭和53年2月24日)
相続人が複数いる場合
相続人が数人いる場合には、民法九一五条一項に定める三か月の期間は、相続人がそれぞれ自己のために相続の開始があつたことを知つた時から各別に進行するものと解するのが相当である。(昭和51年7月1日)
相続放棄の申述に無効原因がある場合
相続放棄の申述が家庭裁判所に受理された場合においても、相続の放棄に法律上無効原因が存するときは、後日訴訟においてこれを主張することを妨げない。(昭和29年12月24日)
自書ではない相続放棄の申述書
相続放棄の申述書には、申述者が自署するのを原則とするが、自署でなければ無効であるということはできない。